こんにちは。西葛西の森のどうぶつクリニック、院長の森です。お家でスキンシップの時間をしっかりとられているので、動物種問わず、日々の診察で「できもの」についてのご相談はとても多いです。「できもの」=悪い病気?と不安になる方もいらっしゃると思いますので、今回は「できもの」を見つけて来院されたときに、病院でどのような検査やお話をするかまとめたいと思います。
「できもの」の種類
・腫瘍(良性/悪性)
・炎症
・その他
冒頭でもお話した通り、ご自宅で「できもの」を見つけると一番心配になるのが腫瘍だと思います。確かに腫瘍が多いと思いますが(特に良性)、炎症やその他の病変であることも少なくありません。「その他」には、フケ、汗をため込む病変が比較的認められます。
「できもの」の検査
・細胞診
・病理組織学的検査
①細胞診
「できもの」を調べる時に、1番最初に行う検査が細胞診です。細胞診は文字通り、「細胞」を採取し病気を調べる検査です。細胞の採取は細い針で行うため基本的に麻酔が必要がないところがメリットです。一方、細胞診のみで診断できる病気は限られており、また良性・悪性の診断も難しいところがデメリットとなります。細胞診の目的は以下のグループに分けて、「治療の方向性を決める」ために実施します。
・炎症
・上皮系細胞腫瘍
・非上皮系細胞腫瘍
・独立円形細胞腫瘍
・その他
大きく「炎症」、「腫瘍」、「その他」に分けていきます。
腫瘍治療の基本は外科治療となります。細胞診で上皮系、非上皮系細胞腫瘍を疑った場合は治療と診断を目的に、手術でできものを取り、病理組織検査に進んでいきます。
独立円形細胞腫瘍のグループでは、細胞診で診断可能な病気が多いです。肥満細胞腫や形質細胞腫などの場合は外科手術、リンパ腫と呼ばれる病気の中で「大細胞性リンパ腫」は抗がん剤治療に進んでいきます。(なお、その他のリンパ腫については外科手術に進みます。)
炎症細胞が多く採取された場合は、炎症と判断し、主に内科治療となります。一部の炎症はお薬で改善せず、外科手術に進む場合もあります。
以上のように、細胞診は診断の意味合いもありますが、取れた細胞から次にどの治療が必要か方向性を決めるのに重要な検査となります。細かいお話ですが、細胞診で肥満細胞腫や軟部組織肉腫という病気の疑いがあれば、外科手術に進むのは変わりありませんが、できるだけ大きく取ろうと、手術の方法を決めることもできます。
②病理組織学的検査
病理組織学的検査は、手術で「できもの」を取り、組織を見て診断する検査です。細胞診では目に見えない細胞で判断するのに比べ、病理検査は大きな組織を基に診断するため、情報量が多く、腫瘍であれば良性/悪性を含めた確定診断が可能となります。最終的な診断に必要不可欠です。ただし、基本的に全身麻酔をして外科手術を行う必要があります。(できものの大きさや場所によっては局所麻酔での手術も可能です。)
まとめ
今回は「できもの」ができた時の診察についてまとめました。診察ではできもの視診・触診後に、細胞診可能な場所や大きさであれば細胞診を実施して、治療の方向性を決めていきます。腫瘍が疑われるのであれば全てではないですが、確定診断と治療のために外科手術と病理検査に進んでいくことが多いです。「できものが悪い腫瘍だったらどうしよう」という不安の中でいろいろな用語が出てくるとよくわからなくなってしまうと思うので、受診前にこのブログを参考にしていただけると嬉しいです。
西葛西の動物病院
森のどうぶつクリニック
